2011 冬 塾長のひとこと   小5の割り算が分かれ目


 数学の力が落ちています。中3生対象の新みやぎ模擬(8〜11月)で、全県の数学の
平均点が40点そこそこです。決して難しい試験だったわけではありません。原因はいくつもあるとおもいますが、その1つに小学校で、わり算の意味をイメージできないまま中学校に進級してしまうことがあると思います。ご存知のように、わり算では小5の
「割合」の単元で使う(比べられる量)÷(もとにする量)に相当する式を正しく立て
なければなりません。例えば、「6.5mで5.2sの鉄の棒の1mの重さは何sですか」と
いう問題に対して5.2(s)÷6.5(m)という式を立てますが、小さい数字を大きい数
字で割ることに抵抗を感じてこの式が立てらてない生徒が多いのです。長さと重さと
いう2つの量に対してどちらを「もとにする量」にすべきかつかめていないのです。と
ころが、本人も周囲も与えられた計算ができるから、わり算はわかっていると思って
います。しかし、「計算が正しくできる」ことと「わり算の式を正しく立てられること」
は全く別のことなのです。中学校の数学では、生徒が小学校時代にわり算の意味を
理解していることを前提に「文字式」「方程式の利用」「1次関数」などが教えられま
す。これらの単元では割合・比・速さ・傾き・濃度など、本質的にはわり算でしか表せ
ない概念をあつかいます。このため、中学校では数学についていけない生徒が多くなってい
るのだと思われます。圧力、電気抵抗、湿度などをあつかう理科にも当然影響します。
小学生の皆さん、小学生のうちにわり算の意味をイメージできるようにしておきま
しょう。中学生の皆さん、数学でわからなくなったら、今更と思わず、小学5年の小数の割算に戻って下さい。遠回りに思えるかもしれませんが、結局これが早道ですよ。

 


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