2015 夏 塾長のひとこと  緊急出動のための「暇」


 日本の社会では暇は良くない事とみなされがちで、スケジュールがびっしり詰まっているのが充実の証であるかのように思われていますが、それでいいのでしょうか?
 
ある牧師の説教の中に今でも印象に残る次の言葉があります。
「牧師は暇でなければならない・・・。」どういうことでしょうか?
ここで言う「暇」は、消防士が緊急出動できるように自分を暇な状態に保っておくという意味の暇です。つまり教会に救いを求めてくる人がいた場合、牧師はすぐに対応できるように暇にしていなければならないというのです。

学生だって暇でなければならないのです。この場合の「暇」は、研究者が、手掛かりの無い中で考え続けていけるように、自分自身を暇にしていなければならないという暇です。それまでわからなかったところが、ある時一気に分かりかけてくる時は緊急出動の時です。また、自分の将来を考えるには暇が必要です。新しい考えを実行に移すにも暇がいります。適度に暇であることは大切なのです。

 「部活で忙しくて、勉強する時間が取れませんでした・・・。」と言ってくる中3生・高3生が多いのですが、残念でなりません。土日も部活、朝練もあるというのでは、仕方がありません。しかし、中学・高校の6年間は学習の面で人生の「旬」の時期です。二度とないこの時期を逃してどうするのでしょうか?本人のみならず間違いなく社会の損失です。部活は1日2〜3時間程度、週に4〜5日以内が適切だと思います。部活を指導する責任者は生徒の将来を考えてもらいたいものです。中学・高校生には充実した「暇」が必要なのです!

 


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