2015 冬 塾長のひとこと  塾の使命とは何か


 教育の中で、学習塾が果たせる役割とはなんでしょうか?
いうまでもなく、塾はまず生徒の成績が上がることがもとめられています。今では塾の学習支援が必要なものであることが社会的に認知されてきてました。
生徒たちにとって日々の学習は、毎日の食事と同じく成長のために不可欠なものです。ところがいまや学校も家庭も学習する場所ではなくなってしまいました。行事がやたらに多く、落ち着いて勉強する雰囲気が失せた学校。スマホする場所と化した自宅の勉強部屋。こんな状況の中で、生徒たちに楽しく落ち着いて勉強する環境を作ってあげるのは塾の役割です。学習塾には、もうひとつ社会的な使命があります。公立の小学校・中学校・高校というのは、自由競争の洗礼を受けることもなく、生徒からの評価や批判を受け改善していく仕組みのない行政機関です。それを、民間の立場からウォッチすることは塾の役割です。塾は、生徒たちから聞く話から学校の生の現状を知ることができるユニークな存在です。東京ゼミでは、中学校での度を越した部活が害であると、この欄で訴え批判してきました。一般のひとには気つかれないことで、その仕事に就いているひとにはわかる、ということは社会のいろいろなところに存在します。社会は分業で成り立っています。それぞれの職業のひとが仕事を通して、おかしいと気ついたことに対して健全な批判の声を上げることは、社会の一員としての義務だとおもいます。塾にもそのような意味で学校教育のおかしい事に対して声を上げる社会的責任があると思います。

 


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